高校の弓道部で、1年生から顧問の指導を受けることはなかなかありません。1っこ上の先輩、2個上の最上級生が「神」でしたから、先輩方の指導が殆どでした。今思えば、訳の分からない練習が多かったのですが、後日聞きましたら、「あまりの新入部員の多さに驚き、どうやったら辞めるか?皆で相談して練習をさせていた」との事でした。
 さて、流派東方不敗はとんでもないサル腕です。サル腕とは曲がり方が色々ありましたが、流派東方不敗の場合は逆「く」の字のように左ひじが曲がり、肩と拳のラインよりも肘が内側に入ってしまうのです。つまり、矢の真下に肘が来ている状態で、弓道には非常に不利です。何せ押す力のベクトルが違う方向にずれるのですから・・・。(有利という人もいます)
 それでどうなるかといいますと、離れる度に肘を弦で払うので、激痛が走ります。そして、肘には痣ができ、血が滴ります。よって、流派東方不敗はサポーターをして、1射1射肘を払いながら弓道をしていました。こんなものだと思って・・・。
 ところが、見かねた恩師が集中指導をしてくれました。「1ヶ月的前に立つな、巻藁だけに専念しろ」
手の内、打起し、大三、引き分けと個別に修正指導です。来る日も来る日も巻き藁の連続です。皆は的前を引いているのに・・・。それでも、1ヶ月経つ頃にはサポーターを弦が払うことは殆ど無くなりました。毎日、付き合って指導してくれた恩師に感謝です。ただし、緊張したり、汗をかいて手の内が滑ると打ちましたが・・・。
 そして、的前の許しが出た日、久しぶりに的前に立ちました。ドキドキ緊張と興奮の的前です。恩師が見守る中、行射しました。打ち起し、大三、引き分け、「よし、肘が矢の真下に来ていない」その矢はどこに飛んだかは忘れましたが、肘を弦が払うことなく、飛んでいきました。次の矢も次の矢も繰り返し弦で払うことはありませんでした。「やった!!」「ありがとうございました!!
ま、それでしばらく引けや恩師はたったそれだけ言うと、素っ気無く帰っていきました。流派東方不敗はこんなに嬉しいのに・・・。そういう人でした。
 ただし、流派東方不敗はこの練習のせいで巻き藁は大嫌いになり、その後学生時代に巻き藁をひくことはありませんでしたが・・・。
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