fc2ブログ
2007.08.11 弦音について

 「弦」は弓のため、的中のため、弦音のために熱心に選んでいます。弦を選ぶのは弓の強さ射手の技量、金銭的要素などいろんな条件が加わりますね。


 さて「弦音」ですが、真・善・美の真・・・。弓おける真とは「弓の冴え」「弦音」「的中」ですね。その中で「弦音」は見る者に自分を訴えるものがありますね。弦音は何故するのか?どう思います。関係者のコメントを集めてみましょう。


 流派東方不敗は弦が上関板と姫反りの上部分を打つ音と思っていました。上関板が削れたり、弓の姫ぞりの上部分に弦がすった後がありますからね。こう思ったのは次のような出来事があったからです。以前使っていた竹弓(永野一翠ではないです)の関板がヒビ割れたことがあります。その修理の際、弓師から「関板内部には弦音を出すために空間を設けてある」と説明を受けました。何だって?とそこにある壊れた弓の関板を割ってみると・・・。ホントだ!!空間がある。皆驚いてその説を信じたものです。一翠弓も関板の形にこだわったりするところを見ると同じなのかも知れません。


 柴田勘十郎師「弓・弦・矢と射手があったときに弦が弓に戻ろうとする際にする“音”で弓のを撃つ音ではありません」なるほど・・・。「弦音がしません」と恥ずかしい相談をしましたが、弦の太さや矢の重さについて指摘を受けました。そうすると、「かん十ろ」弓が鳴いてくれましたよ・・・。


 某範士「昔の弓はブンブン言ってなかなか弦音がしなかった、関板も非常に低く弦との間に指一本入ったもんだ」「そのため関板に金属のプレートをつけた人もいた」「きちんと道具の条件を技と合わせて使わないと真価は発揮しません」


 と大雑把ですが、こんなことです。そう思ってそれぞれの弓をならべてみると、弓の成り、関板の形など弓師によって違いますね。作り手の意思をきちんと受け止めないと、手元にある道具は本領を発揮してくれません。誤った使い方をすると道具がかわいそう・・・。


 やっぱり弓に弦が戻る音が冴えた弦音を醸し出すほうが、撃った音の弦音より趣があっていいですよね・・・。皆さん、化繊の弦音と麻弦の弦音どちらが好きですか。

スポンサーサイト



Secret

TrackBackURL
→http://sekihatenkyou.blog113.fc2.com/tb.php/21-1cb3304a