流派東方不敗の所属している地連の元会長がお亡くなりになりました。追悼の意味を込めてそのセンセイとの思い出話をしたいと思います。
 A範士は強面で、頑固そうな(笑)お顔をしていました。
物言いも結構厳しくて、ワンマン要素も多かった方だと思っています。それだけに苦々しく思っていた会員もいました。よく言えば、リーダーシップがあり、中央にもパイプもあり、というセンセイでした。
 A範士との初対面は連合審査でした。当時A範士は教士で連合審査の審査員をされていましたが、他の地連からの出戻り組である流派東方不敗はA範士のことは全く存じ上げず、しかも師匠とつながっているとは知りませんでした。
 連合審査受審の日、間に合いかねて慌てて道場につきました。「わぁ、間に合わない!」焦った流派東方不敗は靴を脱ぎ捨てて、土間にソックスのまま下りて道場に上がりました。
「何をやってるんだ!!」大声で叱られました・・・。「他の道場を使わせてもらうのに、どういう態度だ!!出直して来い!!」審査を受ける前に強烈なダメだしをされました・・・。
 当然ですよね。。。そして当然ながら結果は惨憺たるもの。地連に帰って、改めてA範士にご挨拶をしました。国体予選の時だったのですが、その日は遠近とも奇跡的に中ったもので、「あれは誰だ?」ということになって、「最近地連に登録した流派東方不敗という者です」「呼んで来い」ということでご挨拶でした。先日の連合審査のことはすっかり忘れておられたようでしたが、こちらはよ~~~く覚えていましたので、挨拶もほどほどに逃げ出しました。でも、A範士とこれから長い間お世話になったのです。出会いは最悪でしたが・・・。
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 垂涎の逸品、「松永重宣」弓の引き味をようやく紹介します。
 裏反りは思ったよりも高くなく、弦は掛けやすいです。そこは肥後三郎と違います。肥後三郎に比べると、弓が柔らかい、というか鞭のように「しなる」感じがします。萬義のようにぴいぃんと戻ろうとする感じまで張り詰めた感じはありません。
 弓があまり主張しないという感じでしょうか。ひき味も柔らかく。弓力なりの弓の抵抗力をあまり感じず、特に目通りからはすっと入ってきます。伸び合いも出来やすく感じます。会から飛び出す矢は、矢勢が良い。矢押しが良いということでしょうか。そして矢が伸びるように飛んでいきます。竹弓と竹矢、麻弦ならではの伸びのある矢が飛んで行きます。この良さがわかるまで時間がかかりましたが、恩師のおっしゃっていたことが良く判りました。
 そして弦音ですが、とてもいい音が出ます。雲仙弦を普段使っている流派東方不敗ですが、「雲仙は鳴かんもんね」と思っていたところ、重宣弓は雲仙でも結構鳴きます。それならば、「桂」を使えば、どうなのか?興味をそそるところがあります。
 ある講習会の際に桂を掛けて参加しました。講師の先生の指導を受けながら、頑張って離れがでましたが、耳元で「キュン」と甲高い、今まで聞いた事がない弦音が聞こえました。すごい!後にも先にもその時だけです。
 もし、幸運にも弓具店に松永重宣弓があったら、迷わず購入しましょう。そして、有名なセンセイにしか売ってくれないお店にも(笑)掛け合ってみましょういつかは回ってくるはずです。松永重宣師はご高齢です。いつまでも購入できるという保証はありません。
 はっきりいって、この弓に合成弦を掛けて欲しくないですね、麻弦で引く人だけが使って欲しい、本物志向の弓引きに使っていただきたいですね。
「松永重宣」弓がすごいな、と初めて思ったのは身近な人が引く「松永重宣」弓の弦音がやたらいい音がすることが始まりです。その人は緩んだりして鋭い離れの出現率は低く、的中も低いのですが、雲仙弦をもってしても(桂のような高額弦でなくてもという意味ですよ)、「おぉ?誰が引いているんだ?」という弦音がします。で、桂を懸けて引いてもらうと、・・・エクセレント!!すんばらしぃ弦音がします。「この人でこれだけ鳴るのなら流派東方不敗だって・・・」と思ったわけです。重宣師が弦音や矢勢にこだわったのは良く判ります。
 弓の成りはカモメ型ですね。松永系というのはわかりますが、肥後三郎や萬義とは明らかに成りが違います。成りの曲線が穏やかというかやさしい。下手をすれば船底っぽく見えます。使っているうちにホントに船底にしてしまっている人が結構多いですね。流派東方不敗の周りには。
 上関板には首折れ防止のため、内竹が入っています。これだけの工夫で首折れを防ぐことができるそうです。関板は肥後三郎に比べて高いですが、このあたりに弦音をさせる秘密があるのでしょうか。重宣師も弦音や矢勢にこだわったようですし。
                      230905 032右が重宣弓

 重宣弓ですが、軽い弓です。これは肥後三郎より随分軽く感じます。重心が違うのでしょうか。そして弓は勘十郎弓や播磨竹禅のように丸くなく、四角く台形のような形をしています。そしてほとんどの重宣弓が裏ゾリが少ない・・・。あまり裏反りのある弓を見たことがありません。破損対策でしょうか?
 ちょっと小耳に挟んだところでは、ある教士のセンセイが「私は裏反りのある弓は弦がかけにくくて嫌い、一翠のように裏反りがない弓がいい」とのたまったそうです。。。ならば一翠を買えばいいのに・・・。
2012.11.10 松永重宣弓
 流派東方不敗の手元に1年ほど「松永重宣」弓が来ていましたので、そのレポートをします。
 「松永重宣」弓、現状では「肥後三郎」を上回り、最高の弓といっても過言ではないでしょうか。初代肥後三郎こと「松永重児」師の次男「重宣」師の作になります。最近は「松永宣斎」という肥後三郎弓でいうところの「蔓義」クラスがありますが、普通はまず回ってこないでしょう。
                           230905 022
 「松永重宣」弓ですが、重宣師が高齢のため、20キロ以上の強い弓力の弓は入手することはほぼ不可能です・・・。残念ながら。。。京都大会のときも弓具店に「松永重宣弓はありませんか?」とたずねても、流派東方不敗ごときには手に入りません。運がないのか、めぐりあわせが悪いのか、無理なんでしょうかね。しかし、高名な先生は結構お持ちになっています。「よほど有名な弓士にならないと買えないのかな?でも、時間はないな・・・。」という感じです。弓の数自体も出回っている数が少なそうですし・・・。
 愚痴はともかく、それだけの弓です。「宣斎弓ごよみ」を見ていると重宣師の弓造りに対する姿勢というか、執念というか、が感じられます。
 松永重宣弓の引いたレポートは次回にします。