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渡辺健太の弓、側木桜仕様の弓ですが、細部まで確認していきましょう。
引き味は慣らしが済んでからになりますので、夏場以降のレポートに
なると思います。
 丁度、同じくらいの強さの松永佳也の弓(側木櫨、五本芯)がありますので、比較しながら
レポートします。
 まず、銘ですが、写真のとおり篆書体?で金色です。三枚打ちの時は「健太」でした。
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どうも、弓師として松永系の名前を名乗らないようですね。
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佳也弓と並べるとこんな感じですが、銘はあまり目立ちません。
側木が桜でこの銘ですが、櫨になると銘が変わるのか楽しみですね。
 つづいて、関板ですが、これは松永重宣系列の角が角ばっていて、
高くとっています。そして内竹が関板の中まで入っています。

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佳也弓の関板と比べても随分ととんがっており、かなり高く見えます。
好みの別れる所ですね。弓全体の姿を見るときに関板だけが尖って
見えますので、あまり好きではないです。まあ、落ち着いて来たら削ってもいいかな・・・。
関板の仕上げ処理を見ていると、佳也弓との比較になりますが、
かなり鋭角な切り口になっています。若さなのか、歯切れの良さを
感じますね。
 この関板の形状は良い弦音を出すことを意図した形だったと思います
ので、慣らしが終わってからの弦音が楽しみです。
 隣の佳也弓は今雲仙弦でかな~り良い弦音を出していますから。

 側木はもちろん、桜です。桜なのですが、弓の着色が黄色系の染料を使っているため、
かなり黄色く見えます。
ただ、私にはこの桜の種類はわかりません。
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 なぜ、この色を選択したのか、お聞きしたいところです。
メープルを黄色く着色する弓師は多いですが、桜を黄色く
着色する弓師はあまりいませんから。
 今新弓でこの側木の色ですが、落ち着いて来たらどんな
色に変わっていくのでしょうか。それは今から楽しみです。

 側木が桜の弓は流派東方不敗の経験では、引き味が硬い
印象があります。健太弓の慣らしが終わり、どんどん引いてきた
時に、引分け、特に目通り辺りからの収まりがどうなってくるのか、
とても楽しみです。
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流派東方不敗の弓シリーズがいつの間にか「にべ弓」ばかりになり、夏弓が手元不如意になっていました。
そういう訳で、投入したのが渡辺健太弓です。
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 弓師というより、射手として有名な人でしたが、松永重宣師の下で弓師の修行をされてきました。
私たちの所にも3枚打などの試作弓が出回ってきていましたが、ついに桜芯の弓を導入です。
健太弓はすでに側木櫨でニベ弓の製作まで進んでいると聞きますが、流派東方不敗はニベ弓が飽和していますので、お預けです。
 さて、早速ですが、側木が桜の弓ですが、質量は軽い。執弓の姿勢が軽く取れます。
松永重宣系の弓はどれも弓が軽くできています。竹の選定、側木の選定、芯の焦がし、削りなど製作過程で軽量化が色々と図られているのでしょうか。
弓が軽いのが良いか、ある程度質量があるのが良いのかは流派東方不敗の中では結論が出ていません。

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㔟をみてみますと、松永重宣系のカモメ型ですね。
同じ松永系の弓でも肥後三郎と違い、下㔟が穏やかな優しいふくらみを持っています。
佳也弓と並べてみますと、膨らみにボリュームがあるのがよくわかります。
同じ重宣師の弟子同士の弓ですが、若干違っています。
聞いたところでは、弓具店のリクエストに応じた弓の㔟で出荷しているようです。
播磨竹禅のニベ弓ですが、㔟(なり)は江戸㔟です。
おそらく、何処の弓具店でも売っていないと思います。
合成タイプは以前どこかの弓具店で売っているのを奇跡的に
発見しましたが・・・
胴の長い、台形のような弓になっています。
これを胴が抜けている、といわれるとつらい物があります。
胴が抜けているのは、目付けの辺りが膨らんでいる状態を
指します。もちろん、船底でもありません。
                           播磨竹禅にべ03

はっきり言って、抜群に好きな弓型です。
はじめて萬義弓を手にした時、こんな美しい㔟の弓があるのか?
と思いましたが、それがハザマ師匠の弓で見られるという幸せを感じます。
播磨竹禅にべ04播磨竹禅ニベ06

さて、上㔟・下㔟を巡っていきますと、ニベ溜が側木と外竹・内竹の間から見えます。
外竹・内竹の竹の肉厚が結構あります。そこが他の弓と違うところでしょうか。
そして側木は櫨ですが、脂分の多い、樹齢250年以上のものになります。
ただし、その分松永系の弓と異なり、弓の質量が重くなります。
このあたりは柴田勘十郎師の弓も同じく、肉厚のある竹、脂分の多い櫨のため、
弓の質量が異なります。
 竹や櫨とも入手できる産地、年代、弓作りの基本的なスタンスによる違いでしょうか。
ハザマ師匠の竹は固くて、刃が入れにくく、作業が大変だそうです
 そして、前回お知らせしたとおり、ある程度責めて仕上げましたので、
雪荷村といわれる村取りを行っています。弓の内竹の角を削り落として
います。内竹側から見ると内竹側が短い台形に弓が見えます。
最近の弓は内竹・外竹の長さがほぼ同じですので、長方形に
見えます。
 この台形型の弓は手が小さい人向けで、弓が手の内の角見の
位置にあたりやすく、弓が押しやすく
なります。とはいっても
ある程度弓が安定するまでそんな処理はしにくいですが。
                                      弓工房播磨07

工房を見まわるといろんなものがありますが、やはり気になるのが、芯の部分です。
櫨・籤・芯と播磨竹禅の弓はたいてい3本芯になっています。
                                  弓工房播磨02

「3本籤であれば3本とも竹芯になるので、3本芯」のようです。
5本とも竹になると弓の重量が重くなるため、4本が竹芯で1本が櫨になるようです。
5本とも竹にしている弓師もいるようですが。
竹芯

さて、今回は弓の村取り、修理も持参したのですが、例によって(笑)コアな
関係者が来訪していました。柴田勘十郎師のところもそうですが、ハザマ師匠ところも
ドラクエのダンジョンのように、師匠の周りに中ボスみたいな人がいて、
恐ろしい知識と行動力をお持ちのセミプロがいらっしゃいます。
 今回の方は超小型の「MY鉋」を持参のうえ、一心不乱に村取りをしていました。
お話をお伺いすると、かなりの腕の持ち主のようで、師匠曰く「村取りは任せられる」との事。弓も凄腕のようです。
 修理に持参した弓をそれぞれ見て、弓の歪みなどを見たうえで、村取りや修正方法を
的確に説明してくれました。弦の掛け方、弓の引き方(テンションの掛け方というか)も
熱く語っていただきました。
ここに来るにはやはり、油断してはいけない(笑)
弓を使う、育てるには、自分の技量を上げて引くだけでは不十分です。
弓の本来持つ性能を十分に発揮するには、弓の基本的な知識を少しでも
理解しておればずいぶん違いますよね。
「○○の弓は良い」のは事実かも知れませんが、たいていの弓は良い弓で出荷
されていますから、そこからアップグレードして本当に良い弓にするのは
射手の責任ですよね。
とても勉強になります。
今回は弓工房「播磨」訪問ツアーをお伝えします。
「あれ?いつも言ってるじゃん」と思われた方、そうです、そうなんです。
いつも訪問しているのは、販売店?弓具工房「はざま」です。
今回は播磨竹禅の弓打ち等実際の工程が行われているいわば工場を
訪問しました。
 播磨新宮ICを降りて山道を通ること15分くらいで、旧公民館の建物にやってきます。
弓工房播磨01
 油断すると通り過ぎそうですが、この集落の中心地だったみたいで、
保育所跡・小学校跡や簡易郵便局があります。
周りにはもちろんコンビニすらなく、静かな静かな環境で弓作りには適していると言えます。
 油抜きの竹と、積まれた櫨が竹弓を作っている証ですね。
こちらは姫路のお店と違い、作業スペースが広く、作業効率がよさそうです。
普段は見ることの無い、鉋や裁断機、弓張り台などがあり、
ここから「播磨竹禅の弓が生まれている」という躍動感が伝わってきます。」
                            弓工房播磨05
 
修理中の弓、新作の合成弓、ニベ弓、竹材、櫨の芯材、側木材、関板用木材など弓作りに関する
資材がそろっています。(当たり前か・・・)
 
 同行していた皆さんは珍しい機会にまるで子供のようにはしゃぎ回って、
ハザマ師匠に色々と説明して貰っていました。確かに楽しい