センサイの育成で若干疑問が生じているころ、
ハザマ師匠の所でチューンしてもらった重宣が覚醒を始めていました。
チューンしてもらう前は、カモメ型が若干船底っぽく、なっており、把の高さも16センチくらい・・・。そして桂を持ってしてもしょぼしょぼな弦音しか出ていませんでした。
矢勢も「こんなもん?」という感じでしたが・・・。
 ハザマ師匠に村取りしてもらった場所は内竹上姫反り、下姫反り付近、関板の首の辺り(首を少し細めに)。そして思い切って、トレードマークの高い関板を上下ともカットしました。結構な冒険でした。。。しかし、膨らんだカモメがスマートなカモメになり、把の高さも14・5センチほどになって見た目しっくりきました。無骨な重宣弓が繊細な弓に替わった感じです。
 「弓力は少し弱くなるからな。重宣さんの弓だから冴えないはずもないし・・・」といって渡していただきました。CIMG2343.jpg

 少し期間を置いて、富士を掛けて慎重に引いてみました。最初20射くらいは矢がばらついて、弦音もバシャって言う感じでした。ところが弦も弓もなじんでくると、本領発揮というか覚醒というか、今まで流派東方不敗が富士で出したことがない弦音がし始めました。
「なんか、高段者の離れの鋭いセンセイの弦音みたい・・・」信じられませんでした。あの重宣弓がここまで変わるのか?愛着ゼロになりそうだったのに・・・。
 この弓は元々こんなポテンシャルを持っていたのか、やはり重宣弓は重宣弓だったのだ!!そしてそれを引き出したのはハザマ師匠・・・。感謝です
そしてこの重宣弓がこうなるなら、いっそ宣斎もハザマ師匠に村取りしてもらえば本領を発揮するのだろうか、と思い始めました。
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2017.03.10 松永宣斎試行
松永宣斎をいよいよ、慣らしていく時がきました。
                              IMG_3047.jpg
 松永萬義を成らしていったときのように、慎重にそして珠玉の一品を無残な姿にしないように、元の姿を失わせないように、松永宣斎と流派東方不敗の距離は近づけていきます。
 ただ、この松永宣斎弓、不思議なことに松永萬義のような「孤高の寄せ付けない感」、弦をかけるのでも「いい加減に懸けては許さないぞ感」がありません。
 弦がピィンと張って弓がひっくり返りそうな生きのよさがあまりありません。おとなしい感じです。「弓が元の姿に戻りたがっている」様子は感じられません。「弓が射手の作業をじっと待っている」、そんな感じです。
 弦も普通にかけられますし、ひっくり返ることも、切れることもありません。これはもしかしたら鈍い??のではなく、打ち上げから年月がたっていて、弓が安定しているからでしょうか?弓が息を潜めている感じです。
 巻き藁で矢束を伸ばしていっても、もちろん抵抗力は感じますが、弓から発せられる抵抗感、危うさを感じることが出来ません。
素直に離れていきます。松永萬義のときははち切れそう感が満載だったのですが。。。
 順調に矢束を伸ばしていくと「?」と疑問がわいてきました。
松永萬義と松永宣斎、究極の二張を比較しています。                                                今回は側木です。 IMG_3055.jpg 左松永萬義、右松永宣斎                                                                側木はともに櫨ですが、見た目では素材に大きな違いが見ることができます。松永萬義のほうが梨目に見えます。 見た目の色は松永萬義が金色っぽく、松永宣斎が黄色っぽく見えます。これは先に紹介しました、塗装の違いから来る見え方、見せ方の違いだと思います。両方とも塗装を溶いて、素材のままにすることがあれば違いはよりわかるとは思いますが・・・。 ただし、いずれの弓も持った感じは軽いですから、脂っ気は少ない櫨なのでしょう。                                               続いて、竹の節の様子です。 IMG_3057.jpg左松永萬義、右松永宣斎 竹の節は双方比較的低いようです。真竹の特徴でしょうか。 芽節が重要なところをはずさないのも松永萬義、松永宣斎の特徴です。これが安い弓だた、ちょっと違うことがありますね。
IMG_3052.jpg
松永宣斎と松永萬義弓強さはほぼ同じですが、大きさが若干違います。見てみましょう。

松永宣斎  幅     厚さ          幅    厚さ  松永萬義
        23.5  14.0  上切詰  24.0  13.0
        24.0  15.9  姫反節  25.0  14.0
        26.0  17.0  上成節  26.0  16.0
        27.0  19.0  目付節  28.0  17.5
        26.5  18.0  握り下   27.5  17.0
        26.0  18.5  下成節  26.0  16.5
        14.0  15.0  引掛節  24.0  14.0
        22.0  14.0  下切詰  23.0  13.0
   
                            IMG_3051.jpg
こうしてみると、松永宣斎は分厚く、幅が狭い、松永萬義は分が薄く、幅が広い弓に見えますね。
この特性、引き味にどのように影響があるのでしょうか。
削りやすいのは松永萬義か
流派東方不敗はついに、「松永萬義」・「松永宣斎」と竹弓究極の二張を入手してしまいました。
やはり比べてみたいものです。引き味は慣らし後として、違いを見て行きましょう。

まずは成りです。
IMG_3051.jpg左松永萬義、右松永宣斎
松永萬義は江戸成りらしく、台形で胴が長い弓です。それに比べると松永宣斎はカモメ型で胴はそこまで長くありません。成りもここまで違うと引き味、離れの感じも異なってくるでしょう。
 並べると松永宣斎は太いですね。ほぼ同じ強さなのですが

次は関板です。
                                 IMG_3054.jpg左松永萬義、右松永宣斎
肥後三郎系は関板が低く、弦が関板を打つところが狭くなっています。
松永重宣弓は関板が高く、弦が関板を打つところが広くなっています。写真ではわかりにくいですが、関板の角っこの出っ張りのところを若干角を削り落とすように切っているのですが、それが弦音に影響するそうです。
関板の長さは松永萬義でも短いですが、松永宣斎は更に短いですね。 

次は銘です。
                                                                IMG_3052.jpg
兄弟で書きっぷりがぜんぜん違います。松永宣斎のほうが豪快です。
 松永萬義のほうが几帳面な感じですね。そういえば、三代目になった肥後三郎弓の松永萬義はそのまま「重昌」銘で出回っているようですね。
 いずれにしてもこの並び、贅沢です。もちろん、なかなか人前では引けません。厳重に自宅管理です