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今回の教室も、講師陣は若手主体でした。
弓道のオンーズンに実施しましたので、労力はかなりのものであったと思います。
次回からオフシーズンに開催し、じっくりと自分の弓も引いた上で
教室講師陣として従事していただくほうが良いかもしれないと思いました
 講師陣は「講師」、「補助講師」、「補助員」として、
各組に講師1名、補助講師1名、補助員1名で指導に当たりました。
基本段位順に振り分けました。それは、段位が上のほうが必ずしも
指導力があるというわけではない
のですが、地方審査委員を努めているとか、
各種講習会を受講しているとか、ある程度スケールの大きい大会に
参加・運営しているとかの頻度が高いためです。
特に講習会受講経験は、今どういうことを求められているか
ということを知りうる貴重な機会であるため時流を掴んだ指導が
出来やすいというメリットがあります。その人たちを「講師」としました。
四~五段、称号者で講習会を受けていない人たちを「補助講師」、
その他を「補助員」としました。
 それぞれ、先に紹介したテキストをしっかり読み込むようにお願いしたところです。
グループごとにローテーション制をとり、それでいて経験者班、未経験者班を
渡り歩くことにしました。そのため、指導の平準化に努め、とどこまで指導したか、
教室生がどこまで進捗したかの連絡ノートを作り、講師に引き継いでもらうようにしました。
そのため、講師が替わっても指導にふらつきが無く実施できました(´∀`*;)ゞ

教室を開催している間に講師陣は練習が出来ず、もやもやしたと思います
しかし、教室期間を終えると知識も動きも変わって来ていることが良く分かります
①それは3ヶ月も教本やテキストとにらめっこしてきたこと。
                         IMG_0619.jpg
②基礎の基礎を繰り返し繰り返し初心者に伝えてきたこと。
そして範示してきたこと。

講師陣も大きなステップアップを果たしており、知識・技術共に
向上していることは自身には分からないかもしれませんが_(:□ 」∠)_。。。
教室を開催する上で、受け入れる側の大きなメリットだと思いますね。
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今回の教室は「経験者班」「未経験者班」の二つのグループに分けました。
それぞれ進捗は異なり、経験者班はどんどん的前で引く方へ進んでもらうようにしました。
1回の中で体配の時間は両方共通項目として、四姿勢八動作は一緒にやってもらいました。
なにせ、経験者とは言え、高校の時にしか弓道をやっていないため、
体配は簡潔にしか学んでいません。よって詳しく指導をしていきます。
特に最近言われる執り弓の姿勢についてはしつこいくらいお伝えしました
それから時々講師陣の審査の間合いを看取り稽古して、体配の重要性をお伝えしました。
受講生には定期的にレポートを頂きましたが、
「弓を引くまでにこんなに時間がかかるとは思わなかった」
「高校の時に教えて貰ったかな?ということがたくさんある」
「弓を引いていて考えたことが無かった、奥が深い」
などなど感想をいただきました。
教室の進捗の状況によって困るのが、超弱弓が大量に必要になること、
巻藁がたくさん必要になること。
このあたりの必要性が一過性のものなのですが、やりくりしきれないところがあります。
また、経験者でも弽を処分していたりするので、十分なものを用意できる
わけではありません。続きそうな人には順次声掛けをして、

①道着、②弽の順に購入して貰いました。
道着を着た時の皆さんの喜びようは見ていてこちらも嬉しくなります
                            kake.jpg

「もう、辞める事はできませんよ」(笑)といいますが、
早めに着方を覚えてもらう必要があります。そして練習のたびに道着を着用することで、
世俗から離れ、「弓道に来た」と気持ちの切り替えをするのも大事なことだと思います。
経験者は理解していただけるのですが、弽はあまり再々買い換える
ものではないため、早めの購入をお勧めしています。
「経験者」と「未経験者」を分けることで指導者は進捗管理が楽になるのと、
「未経験者」には目指すべき近い将来が目の前にいるわけで、到達点が分かり易くなります。

また、受講生が初めて中った時は全員で拍手するようにしています、
というか自然と拍手が起こります。班別に分かれているものの、
講師陣はいろんなところに目配りをしているということですね。
受講該当者に教室開催前に説明会を行いました。
弓道を始める上で、一番最初に伝えていないといけないことが二つあります。
それは、時間と費用の二つのコストについてです。

一つ目は、「一人で弓が引けるようになるには、
週2回の練習で6ヶ月以上かかること
」です。
未経験者のイメージではいきなり的を引いてポンポンと中る
ように思えますが、そうは行きませんよね(笑)。
危険防止が一番にやってきます。十分な練習をして、体力をつけて、
弓技が上がってこないと独り立ちは中々できません。
途中で事故があれば、最悪弓道場を使用できなくなる可能性もあるわけですから。
スケジュール観を示さないと、
「一体いつまでこの変な体操(徒手の八節)を続けるんだろう、面白くない!」
ということに成りかねません。
教室が3ヶ月、そこから合同練習を3ヶ月経て何とか一人で
引くことができるようになるでしょう。そこから完全に独り立ちは1年、
初段取得を一つの目安にしています。
ですから、「そのくらい時間はかかりますよ」、○o。(○゚ω゚)ノャァヽ(゚ω゚○)。o○
「落ち着いて取り組んでいきましょう」+゚。*(*´∀`*)*。゚+という紹介になります。

 二つ目は「衣装から始まる弓道具を全て揃えると、10万円程度費用がかかること」
①道着、袴、帯、足袋で12,000円位。②弽25,000円、③矢15,000円、④弓40,000円位。
⑤矢筒、弦巻他もろもろで100,000円は超えてしまいます。
kake.jpg   弓道具 001   CIMG1417.jpg

一度に購入するわけではないですが、①と②は教室終了後にたちまち必要になります。
必要性と購入時期を大まかにお知らせしていないと、
「壷を売る怪しい団体商法」みたいになりますから要注意です。

 この二つのコストをご理解いただいた上で参加しないと、
「弓道をしてみたい」と折角一生懸命時間を繰り合わせて教室に参加したのに、
弓道が続けられないということになってしまいます。
教室開催にあたり、市の広報と地元のタウン情報誌に教室開催をアナウンスしました。
それぞれ掲載されたものの当初リアクションがなく、
申込があるのだろうか?と不安になってきた頃に
ボチボチと問い合わせや申込が来はじめました。
途中からはどうやって断ろうかと・・・。
 問い合わせが多いのは義務教育生の受講可否でした。
ニーズはそれなりにあるのですが、残念ながらクラブには受け皿がありません。
また、学校教育の正課になっているにも関わらず、
我々の地域では正課教育で取り組んでいる小中学校は無く
残念の一言です。
このあたりは連盟として幅広く活動していかねばなりません・・・。
 申込者の傾向として女性が多いですね。大体男女比1:2になります。
これはずっと変わりません。
女性のほうが時間のやり繰りが利きやすいのかも知れません。
弓道と聞くと激しいスポーツのイメージはないので、
取っ掛かりやすいのかも知れませんね。
 若い人が長く弓道を続けられるというイメージがありますが、
結婚・出産などライフイベントで断念せざるを得なくなってしまうことが多いですね。

若い人の経験者をたくさん集めたら良い、と言われますが
「高校や大学卒業時になぜ弓道を離れる事になったのか?」
「今なぜ弓道を続けることができないのか?」
そこが解明できないと経験者が弓道場に戻ってくることは難しいと思います。
○| ̄|_○| ̄|_○| ̄|_
私の場合、帰郷して練習に行くと競射稽古ばかり強要されて、
それが嫌で嫌で仕方なかったのですが、そんな人は例外でしょうね。。。
指導者にも「経験者しか教えたくない」という意見が多いのも頭の痛いところです。
「学生弓道経験者を集めなくてはならない」
勿論、掘り起こしは重要ですが、それが中心では閉塞に向かっていきます。

その点は若く無くても子育てを終えた(終盤にかかっている)
世代が長く続くことが多いです。
生活サイクルがこの先あまり変わらないのでコツコツと取り組みやすいですね。
平均寿命を考えると子育てを終えても20~30年は
十分弓道に取り組むことができます。
そういう週1~2回程度だけど弓道場に稽古に来ている人が
いつのまにか増えている状態が出来上がればよいと今は考えています。
弓道に関わる人の裾野を広げるには、ライフスタイルが多様化していますから、
それぞれにあった弓道の関わり方を模索していく必要があるのでしょう。
今回の教室も3ヶ月間ですが、22回と大幅に回数を減らしました。
というのも、前回3ヶ月36回の開催でしたが、結局歩留まりは
1割
です
1割の歩留まりはさして低いとは思いませんが、
それにかける受け入れ側の労力はかなりのものです。
会員と話したのですが、今回は深く掘り下げず、教室後に
引き続き弓道をしたい人にのみ深く指導する方針としました。
ただ、軽くというのはニュアンスもあり、指導に温度差が
出てしまいます

 そこで役に立ったのが、全日本弓道連盟が監修した指導書
「弓道」です。
                         IMG_0619.jpg

主に中学校武道に向けた指導テキストになっています。
弓道の授業を10回程度に分け、とりあえず矢を飛ばすところまで
こぎつけることができます。
教室開催にあたり、困るのが回数とそれに伴う指導内容とプログラムの設定です。
このテキストを参考にすればあまり迷うことはありませんね。
 この中で秀逸なのが「技能の完成度」、と「射法八節観点別評価基準例」です。
講師陣の受け取り方もありますが、指導方法は画一化できます。

弓道未経験者には「評価基準の3点を目指しましょう。」
弓道経験者には「評価基準の5点を目指しましょう。」


と目標を定めることができ、指導もそれに基づいたものができます。
しかし、この内容よくよく読んでみると、
「本当にあなたは出来ていますか?」
と問いかけられると背筋が寒くなります・・・。
どうしても普遍化した文言を使わざるをえませんが、
よく考えられている文言だと思います。
初心者教室を再開することになりました。
勿論、弓道の普及啓発が目的です。
全弓連会長も挨拶でいつも述べられていますが、
過去に弓道をやっていた会員の掘り起こしと、新規開拓が主になります。
 色々な告知媒体でお知らせすると、
弓道をやっているんだ」「どこでできるんだろう」「昔やっていたけどまたやりたいな
など意識の掘り起こしになります。
実際、体験コーナーなどをやると、他の競技よりもはるかに多くの体験希望者が集まります。
「体験コーナーがあるからちょっとやってみようかな?」
ニーズは確かにあります。
しかし、今回の再開の主旨は内発的な理由が強いです。
というのも、教室を中断してしばらく新規希望者を五月雨式に受け入れていました。
それで、どうなったかといいますと、進捗が全く違う素人がたくさんいて、
年中初心者指導をしているカオスな状態になりました。
指導を頂いている会員に負担がかかり、自分の弓が引けない状態になってしまいます。
 裾野は広げたいのは山々ですが、
皆そのために道場に通っているのではありません
本来は自分が弓を引きたいがために弓道場に通っていますから。
というわけで、それならば教室を開催しようと。
そして、新人はその時期しか受け入れないことにしました。
経験者はそこまで手がかからないので、随時としました。
 受講対象の選定も難しいですね。小中高については対象外としました。
もっぱら道具の確保が難しいということです。
というか、子ども用の道具を購入する資金も乏しいですからね。
高校生は部活動でやってくださいということで、
部活動として弓道部があるにも関わらず受け入れるのは
部にたいして仁義に反しますから、受け入れないとしました。

先日、とある講習会に参加していました。
ある教士の先生が「流派東方不敗、ちょっと見てくれない?」と呼ばれましたのではせ参じました。
なんと!重昌銘の新萬義二張りでした。
この先生は重昌銘の萬義を以前から所有されていましたので一気に二張り・・・すごい!
 拝見させていただきましたら、あら・・・。
下成がかなり立っていて、上成りが弱い萬義は京成りのはず・・・。
先生が引いている引き成りを見ると、それがそのまま出ていました。
ヤバイ、このままでははじいてしまうのでは、と思いましたので、
「先生引くの止めた方がいいのでは?と正直思います」とお伝えしました。
「弓具店も一度引き取って、調整すると言っているの」との事。
「引いて慣らそうか悩んでいたけど、やっぱりそうしようか」と仰る。
流派東方不敗も、「弓具店もそう言うのなら、新弓ですし、
なお更のこと今のうちに調整に出したほうがいいと思います」
講習会そっちのけで、繁々と新萬義を二張り眺めていましたら、
流派東方不敗の新萬義と共通点が結構見当たりました。
                                IMG_4598.jpg

1 ニベ溜りが見える。
重昌旧萬義はあまりニベ溜りが見えなかったのですが、新萬義は意外とよく見えます。
上成り・下成り当たりにニベ溜りは顕著に見えます。
2 新萬義は弓自体が大きい傾向があります。
同じ強さの新旧萬義を並べると、太さや幅が大きくなっているように見えます。
具体的な数値は測っていませんが、弓デカくなったなぁ~。
繊細さが無くなったように見えます。質量も重くなっています。
3 入木がかなり強い。
これは新弓だから仕方ないかな。使い込んでいけば解消されるとは思います。
流派東方不敗の新旧萬義だけの印象かなと思っていましたが、
他の方の萬義を見て、そう納得しました。
中々比較できる機会がない∠( ^ o ^ ┐)┐ ヨォ…ので、良い勉強になりました。
それから、先生も他の講習会で萬義を引いていたら、
「分相応を考えろ」と言われたそうです。
や・は・りTPOをわきまえなくてはなりませんね。
そうなると萬義は究極の嗜好品になってしまいますね。
勿論、流派東方不敗は講習会に萬義を持ち込むことはしません。
最近二寸伸の萬義がやたら調子が良いので、審査で使おうかな?と思っていますが。
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久しぶりに高橋弓具老舗を訪問しました。
今回は初めて訪問する人をご案内しました。
何時行っても雑然としていましたが、今回はまあまあ整然としていました。
随分イメージが違うなぁ、と思いましたら肥後三郎、松永重宣、松永佳也、渡辺健太
カーボン弓の置き位置を整理したようです。とても見やすくなりました。
「何か見せようか?」といわれましたが、今回は非常に珍しく、「結構です」と。
今は弓がちょっと飽和状態にあるので、静かにしとこう。
合成の弓の成り修正とニベの外竹替の弓を預けていますからね。
いい弓が有ればと思わなくもないですが、引かずに手元に転がしておくのも世の中のためになりません。
大人になったもんだ・・・。
高橋さんは私に竹弓を勧めるときになぜだか「肥後三郎」押しです。松永重宣でもなく、佳也でもなく。
それはそれで嬉しいのですが。なぜだろう

 同伴者は非常に驚いていました。そりゃそうか、みたことないですからね。弓具店を。
特にこういう特徴のあるお店はなおさらです。羽根もその辺りに無造作に置いてあるし、弓もたくさん並んであるし。
 併設の弓道場も案内しました。非常に古風な味のある弓道場です。古いけど、掃除などは行き届いていて清潔感があります。ただし、的正面方向は夏のためか、草ボウボウですが。
落ち着いて引くことのできるいい道場だと思います。すぐ稽古できる環境がいいなぁ~。
 道場見学からお店にもどると、女性の二人組みが来店していました。
高校生の相手をしながら話を漏れ聞いていると、
随分高飛車な上から目線の話し方をするセンセイでした。
流派東方不敗も態度は引けを取りませんので、他人からみたらああ見えるのかなぁ?と思いながら見ていましたが。
詳細は控えますが、高額な商品についてはご存知のようでしたが、
通常の弓具の取り扱いについてはあまりご存知ない感じでした。
物言いを聞いていて、あんまり気持ちのよいものでないから
先にお店を後にしましたが、自分も気をつけようと思いました。
流派東方不敗の年間行事の中で最も重視している競技会に出場してきました。
全日本弓道選手権大会のブロック予選会です。
県予選会は何なく通過できますが、ここからが難関です。
仕上がりはまずますで、S名人からも「全国出場はいける!」と太鼓判を押していただいていました。
おだてに乗りやすい流派東方不敗はすっかりその気になって予選会に望みました。
無様な姿にならないよう、ありのままの姿で、力まないよう弓を引こう。
そうして引いたところ、まずまずの出来栄えでした。
弓返りをしない以外は!!(○´・Д・`)ノ
なぜ今そんな新しい技術を習得するのでしょうか?

S名人は弓返りをしないところは見えていなかったようで
「流派東方不敗、まずまずではないですか?」「会もあったし、安定していましたよ」と。
弓返りはせずとも、それなりに点が出るのでしょうか。
 他県の方からも「流派東方不敗、会頑張っていましたね、今まで見た中で一番長かった
とお褒めをいただいた。そりゃそうですよ、命削って会を持っていますから。
会を1秒持つために寿命がどのくらい縮まっているのでしょうか。。゚(゚´Д`゚)゚。
そのくらいの苦難を乗り越えて1秒1秒会を持たせているのですが。。。


 結果は失望以外のなにものでもありませんでした。
順位は真中辺りです。
毎年の事ながら、「何をやっているんだか・・・」弓道に対する失望感、
徒労感のみがのしかかる大会です。
まぁ、それよりも弓返りをしなかったことのショックが大きかったですが。((((;゚Д゚)))))))

 そして、悪い知らせが更に追い討ちを掛けます。
講評で「流派東方不敗、会が早かったよ!!」
ええええええっ?あれで早い???
一体どれくらい持たせればいいの?Σ(゚□゚(゚□゚*)Σ(゚□゚(゚□゚*)Σ(゚□゚(゚□゚*)Σ(゚□゚(゚□゚*)
「公式の場面では人生ベストくらいですよ!」
この言葉は弓道に対するモチベーションを一気に砕け散らせた言葉でした。Σ(´Д`lll)エエ!!
情けないやら何やらで、なんだか努力するのが無駄に思えて来ました。

 失意とささくれた気持ちをもてあそんでいましたら、師匠から連絡がありました。
「最近どうしているの、声を聞いていなかったので、元気かしらと思ってね」思わず泣きそうになりました。
「選手権予選どうだったの?」
「全く駄目でした」
「腐りなさんなよ、放り出すんじゃないよ」
「諦めず、こつこつ続けていかなければいけないよ。我慢のしどころ、頑張りなさい」

さすがです、救われました。
うちのクラブにちびっ子がいます。
小学校4年生から弓道をやっていますが、
今は四半的の弓を使って練習をしています。
道場の矢止めネットの高さの関係で
中々28メートルを飛ばすことが難しいようです。
初心者体験もあることですので、ちびっ子対応の弓を用意することになりました。
 ハザマ師匠に色々と相談しましたが、結局三寸詰で三枚打の竹弓を
8キロくらいで作ってみよう、ということになりました。
 それで、出来上がったのがこれです。
                                                                      yumi0009.jpg

師匠によると短い弓で弓の成りを出していくのはとても難しかったそうです。
「弓の成りにならん。弓の形にならん」と言われます。
それは師匠が描いている弓の姿にならん、ということでしょう。
そして、弓力の弱い弓を製作するのも難しいようです。
弓力の強い弓の方が作りやすい、それは他の弓師さんからも聞いたことがあります。

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普通の並寸と比べると短さが良くわかります。
実物を見ていただくと途方もなくちっちゃい弓に見えます。
ですが、ちゃんと弓になっています。
 弓力を落とそうと苦労された跡が内竹です。                                  IMG_0186.jpg
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ここまでやるか・・・と思うくらい削りまくっています。
微妙に焦がしている竹を惜しげもなく削ったようです。
竹は固いので、良くぞここまで・・・。
ありがとうございます、感謝です
 さて、この弓でどこまでがんばってくれるかしら。
松永萬義弓を持ったことがある方はわかると思いますが、
この弓の最大の特徴は、「弓が軽い」
ことに尽きると思います。これは何気に成りを見るために弓を持ったときにもわかります。
IMG_4582.jpg            これまでの弓を持つ感覚でいると、「スカッ」と肩透かしを食らうような重さです。
そして更に驚くのは握りをもって弓を持つと、バランスのよさ=重心のよさです。                       「ああ、なんて素晴らしい弓を手にすることができたんだ!」
と、執弓の姿勢や会の姿勢をとってみたときに思います。
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お金を出せばかえるという代物ではないですが、是非とも一度手にしていただきたい弓です。
続いて、肥後三郎の並作四寸伸と比較してみます。
                                               
今流派東方不敗の弓艦隊の中では、並作とはいえ、出色の出来といえる弓で使用の中核にいる弓です。
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というのも、弦音は抜群に良いです。                                                流派東方不敗の腕をもってして
「富士」でコンスタントに弦音が出るのはこの弓だけです。
成りを比較すると、並作のほうは都城成に近く、かなり胴が入っています。
萬義はそこまで入っていません。

側木は並作が大健闘で良い素材を使っているように見えます。萬義は当然高い水準だと思いますが、普通に良く見えます。よく見ると「ニベ口」といってニベの溜りを見ることが出来ますね。

上下の関板の処理は、同じようで、肩が上がり気味の処理です。見た目のクオリティは変わらないのですが、材料の吟味に違いがあるのでしょう。きっと。                                              IMG_4599.jpg
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                                                                     今回の4寸萬義は仕上がるのがいつになるかわかりませんが、この並作4寸とのペアがよさそうです。これから梅雨、夏を向かえ、ニベ弓たちはお休みです。
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赤とんぼが飛ぶ頃、慣らしの場に復帰ですね。
これだけ素晴らしい弓ですから、大切に育てていかないとバチがあたります。
四寸と二寸の萬義の比較をして見ます。
二寸は重昌師、四寸は三代目の製作と推定されます。
弓の大きさは異なりますが、それぞれ仕上げは丁寧です。
そのあたりのクオリティは他の肥後三郎シリーズより確実にランクが上です。
              IMG_4589.jpg

成りは以前にもお伝えしましたとおり、四寸の方が胴が入っています。
しかし、ある程度矢数を掛けて成りが整ってきたら落ち着いてくるはずで、その時の差異を見たいと思います。

末弭の形ですが、若干変わっています。肩が上がっているような感じですね。
九字の切り方は変わっていないように見えますが。鼻の長さも短くなっています。
 本弭の形ですが、こちらも肩が上がっているようで、鼻の長さも短くなっています。
末弭、本弭とも個体差なのか、製作時期の違いから来るものなのか、検証が必要です。

                           IMG_4593.jpgIMG_4594.jpg
 
側木なのですが、それぞれ素朴でありながら美しく、杢目が綺麗です。
外竹も内竹も少し焦がされた竹です。存在感は薄めに見えます。
ただ、よく見ると三代目萬義の側木からはニベ口があちらこちらで見られます。
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二寸萬義は殆ど見られないので、大きな違いといえます。
二寸萬義のほうが茶色いのは、日焼けや経年劣化ではなく、
前回のハザマチューン後に流派東方不敗が塗ったカシュー透き漆の
溶き方が濃くて色が濃いだけのことです。
 
そして二寸と四寸の最大の違いは銘にあります。
焼印の花押も気持ち違う気がするのですが、緑字の「重昌」の字体が全く異なります。
奥が四寸萬義なのですが、二寸伸の力感がなく、なんだかテキトー感が感じられます。エライ違います。
                                    IMG_4590.jpg
それでは細部を確認していきましょう。
                                   IMG_4584.jpgIMG_4586.jpg

上下の関板です。
上下の関板とも、黄櫨が使われており、素材は素直です。この四寸では上関板のほうが黄櫨の模様は好きですが
萬義というか、肥後三郎もですが、関板の高さは低いですよね。
これは通常弦音が出にくいのですが、ご心配なく、流派東方不敗の腕でも、桂・谷口は弦音が出ます。
富士・雲仙は調子がよければ弦音は出ます
今は慣らし中のため、合成弦を掛けていますが、弓具店からも「弓がかわいそうだから一刻も早く麻弦を掛けてね」
といわれました。
特段ボリュームもなく、軽い素材のため、上下の質量の軽さにも貢献し、弓返りの速さに貢献していると思います。

 横から近接して、見てみます。相変わらず黄櫨の素材は良く、素直な杢に見えます。
複雑な杢ではなく、そこで存在感を出す杢ではありません。控えめです。

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内竹は焦がし竹ですが、白っぽく焼きは薄目です。これにも存在感はありません。
存在感はないのですが、美しい竹で上品に感じます。
また、柴田勘十郎や播磨竹禅のような節の高い竹ではありませんが、
都城弓に比べると節は高めです。
黄櫨といい、外竹・内竹といい、厳選された素材が使われているはずです。
この所有している優越感はたまりませんね。ただし、人に見せて自慢する類の
ものではありません。
さて、松永萬義四寸伸、希少品でありながら、仮に店頭に置いてあったとしても中々手に取ることもできず
ましてや購入することも躊躇われる一品です。
何度も申し上げてきましたが、萬義弓を引くTPOは
よく考えていないと大変な目に遭います


メンテナンスがいい加減で、弓を壊してしまうととんでもない非難を浴びますし。
その覚悟を持って、この萬義弓は所有、使用しなくてはなりません
 さて、今回の四寸萬義の特徴を見ていきましょう。
                            IMG_4582.jpg

全体的な成りですが、前回の二寸伸と少し異なり、上成りと下成りに比べ握りが1.5センチほど入っています。
胴が入っている成りです。萬義は京成りの筈ですが、少し胴が入っています。
 全体的に見て、優しい成りです。この見た目の優しさと上品なひき味、
離れの時の弓の鋭さが今から待ち遠しいですね。
ちょうど居合わせた某弓師が、「丁寧に作りこまれていて、弓の出来栄えが素晴らしい
真似できない」といっていました
 焼印・花押と銘を見ます。
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やはりこの萬義ならではの緑字、存在感がありますね。
それからきっちりと押せてない焼印(笑)。弓が仕上がって最後の仕上げに押すものですが、
中々難しいようです。ちなみに三代目が弓を打たれているはずですが、「重昌」は変わらない
のですね。なぜ変えないのでしょうね。